ひとりの日本人として

人にとって、生まれてから現在迄の経験全てが、個人の歴史です。

人が会社で働く事は、その人の働いた歴史が、その会社の歴史の一部になります。

特定の会社で考えると、今迄に働いた(働いている)個人の歴史全てを合わせれば、その会社の歴史全てになります。

会社における「成果主義」は一見公平な方法に見えますが、個人の歴史を全く無視した方法だと思っています。特定の会社に長年勤めている人は、その会社にその年月だけ貢献しています。勿論、貢献していない人も居ると思いますが、様々な要因があり特定は出来ません。間違いないのは、長年その会社が存続している事実だけです。

例を挙げますと、一か月で「10」の成果上げる新入社員と、同じ仕事で「5」しか成果を上げられない勤続20年の社員がいたとします。その月だけを見ると新入社員の方が会社に多く貢献していますが、勤続20年の社員は(5×12×20=1200)の貢献をしてきた事になります。その間に給料等を貰っていますからその分は差し引く必要が有りますが、少なくとも20年間その会社に貢献してきた歴史が有ります。勤続20年ともなれば、様々な部署を経験している可能性が有りますから、現在の仕事だけで評価する事も間違いです。

個人の歴史を否定すると言うことは、会社の歴史を否定する事です。会社の経営者が、自分の会社の歴史を否定すれば、会社が存続出来るはずがないと思っています。