ひとりの日本人として

「今はそんな時代じゃない」「そんな事を言っていたら時代に取り残される」「その考えは古い」「その考えは今の時代に合わない」「それは昭和の考え方」「もうそんな考えの人はいない」「今時そんな事を言っていたら笑われるだけ」等の言葉が、ネットやマスメディアの記事でよく見かけ、世間で認知されていると思っています。

これらの言葉は、古い=間違っている、新しい=正しい、との前提条件で認知された言葉だと思います。

前提条件は、昔より社会は良くなっているのか、人々が幸せと感じれる社会になってきているのかで、考えるべきだと思っています。

ひとつの事例として「年功序列と終身雇用」で考えた時、1990年代頃に、誰が言い出したのかわかりませんが、これからは「年功序列や終身雇用」を守っていたら、日本の会社は、世界で競争できなくなるとの認識になり、多くの会社がその認識のもと会社の体質を変えていく事になったと思っています。

それまでの現実は、日本の得意分野「集団で行動する」護送船団方式で、様々な企業が一緒になって、世界に打って出て成功を収めて、「ジャパンアズナンバーワン」と言われた時代でした。その後「成果主義」等の考え方が出て来て、失われた20年とか30年とか言われています。

勿論、「年功序列と終身雇用」をそのまま守っていたら、今以上に酷い環境になっていた可能性は有りますが、少なくとも、人々は会社が存続する限り失業の心配は無く、年と共に収入が上がるとわかっていれば、安心して家庭を作り子供を作り事が出来、子供にお金が掛かる年齢になる頃には、親の収入も増えている状態になっており、今より幸せな社会になっていたと思います。

これ以外にも、様々な事例があると思いますが、少なくとも「古い=間違っている」と考えるのは止めた方が良いのではと思っています。