ひとりの日本人として

共産主義社会主義)の国が世界には複数在ります。共産主義とは財産の私有を禁止して貧富の差が無い平等な社会を作る思想ですが、其々の国はその思想通りの国なのでしょうか。

共産主義の国と言えばチャイナや北朝鮮が思い浮かびますが、その2つの国が思想を守って貧富の差が無い平等な社会だと言えるはずが有りません。他の共産主義の国については詳しくは分かりませんが、貧富の差が無い平等な社会を実現できている国で有れば必ず一度は話題になっている筈ですから平等な社会が出来ていない事は確かです。

何故其々の国は共産主義を標榜しながら貧富の差のない平等な社会になっていないのでしょう。答えは簡単な話で国の指導者が人間だからです。我欲の塊である人間に共産主義の国など統治出来るはずが有りません。動物の中で最も共産主義思想から遠い存在にいるのが人間だと思っています。

人間の能力関連でもう一つ別の話を書きます。

30年前位に「成果主義」という年齢、学歴、勤務年数等を考慮せず成果や成績で昇給や昇格させる人事制度が日本の企業で出て来ました。多くの企業がその制度を採用するようになった結果、それまでの「年功序列、終身雇用」という資本家と労働者の共存共栄の企業から、資本家の意向で労働者の収入や地位を決められる企業が多くなり、出世競争から生存競争に変わっていきました。出世競争ならいつ棄権しても有る程度の生活は保障されていましたが、生存競争では棄権したら退職を余儀なくされて生活に多大な影響が出ます。

少し考えたら解る事ですが他人の成果を正しく評価できる能力の有る人間などいないのです。成果を数値で表せる仕事など少しだけで、殆どは他人には成果が分からない仕事ばかりという事です。つまり評価する人間=資本家が自由に労働者の生殺与奪の力を持ってしまったという事です。

成果主義」と同じくらいの時期に「グローバリズム」の波が日本に押し寄せて来ました。「グローバリズム」とは国の垣根を無くして政治経済文化を一体化しようとする思想ですが、その波に乗った日本の現状は「失われた30年」と言われ全く経済成長できず、国民の平均年収も400万円台前半のまま過ぎてきたと言う現実です。勿論、全くの見当違いだとの意見も有るでしょうが、個人的には「成果主義」「グローバリズム」によってもたらされた現象だと思っています。