ひとりの日本人として

最近、ネット等で親子間の殺人事件の記事をよく見ます。まるで親子間の殺人事件が多発しているかの様に思ってしまいがちです。

気になったので「親子間の殺人推移」で検索してみると、親族間の殺人件数がその年の総殺人件数の50%を越えたとの記事が多く有りました。

警察庁が毎年、犯罪情勢を発表しているので、それを見ますと、平成30年度は確かに親族間の殺人件数が総件数の50%を越えていましたが、年度別に見ていくと件数は極端に増加しておらず、ここ10年ほど横ばい状態です。親子間の殺人件数も同じです。

殺人事件総数は数十年間減り続けています(昨年は若干増えていますが年間千件以下です)殺人事件総数が長年減り続けた状態で、親子間の殺人件数が横ばいであれば、その割合が増えていくのは当然です。

殺人、苛め、凶悪犯罪等、ネットやマスメディアで不快なニュースや、記事が出ていますが、個々に見て考えるのではなく、過去からの推移はどうなのかを考えて判断しないと、「治安が悪くなった」「世の中がおかしくなっている」等の結論になってしまう事を、知る必要があると思っています。

様々な不快な出来事は、人間社会ですから必ず起こります。大切なのは過去より増えているのか減っているのかを考える事です。「木を見て森を見ない」では、誤った判断をしてしまいます。